災害時に発症しやすいエコノミークラス症候群を防ぎましょう!
2019年 09月 20日
理学療法士の高橋です。
今回は、災害と関係深いエコノミークラス症候群について、投稿しました。是非、ご一読ください。
災害とエコノミークラス症候群
エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)とは、肺を含む静脈に血の塊、つまり血栓ができることで起こる病気です。
先の熊本地震では、避難所不足、余震への恐怖から多くの方が車中泊避難をされました。その結果、51人が入院を必要とするエコノミークラス症候群を発症し、1名の方が亡くなっています。
新潟中越地震では、14人の方が肺塞栓症で搬送され、7名の方が亡くなりました。
日本では、災害の度に、多くの方がエコノミークラス症候群にかかるということが繰り返されています。
エコノミークラス症候群ってどんなもの?
長時間座ったままでいると血液が重力で落ちて、ふくらはぎにあるヒラメ筋静脈が膨らみ、その中で血液がよどんでしまいます。
そのうえ、水分を摂らない状態が続くと、血液が濃くなり血栓ができてしまいます。これを深部静脈血栓と呼びます。この段階で80%は無症状なため、されに動かないでいると、血栓は大きくなり、これが飛散すると心臓を通って肺動脈を詰まらせます。これが、肺塞栓症で、血栓が大きい場合には死に至る場合もあります。
エコノミークラス症候群の予防方法
エコノミークラス症候群の予防には、
- ときどき、軽い体操やストレッチ運動を行う
- 十分にこまめに水分を取る
- アルコールを控える、できれば禁煙する
- ゆったりとした服装をし、ベルトをきつく絞めない
- 踵の上げ下ろし運動をしたり、ふくらはぎを軽くもんだりする
- 眠るときは足を上げる
具体的な運動の方法につきましては、下の図をご覧ください。
厚生労働省HP「エコノミークラス症候群の予防のために」をご参照ください
君津POS連が作成したエコノミークラス症候群予防のパンフレットもご参照ください
さいごに
当院に来院される患者様の中にも、台風15号後に「活動量が少なくなり椅子に座りっぱなしで1日を過ごす事が多くなっている方」や「しゃがみこんだ姿勢のままで作業を続け下肢の循環が悪くなっている方」がいらっしゃり、エコノミークラス症候群発症の危険の高まりを感じています。当院のリハビリを受けている患者様には、必要に応じ厚生労働省のパンフレットをお渡しし、エコノミークラス症候群予防方法をお伝えしています。
ご家族やご近所、お知り合いに、座りっぱなしで一日を過ごし、活動量が少なくなっている方がいらっしゃいましたら、エコノミークラス症候群の怖さと予防方法をお伝えください。地域の力で、エコノミークラス症候群を予防していきましょう!
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by tateyama-seikei
| 2019-09-20 14:58
| 災害情報